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ここでは、病院や医療機関で災害時に求められる対応や、事前にできる対策であるBCPについて紹介します。
1995年に起こった阪神・淡路大震災では、多くの大病院が倒壊してしまい、中小規模の病院が医療の中心を担うこととなりました。そのような歴史から、その後の災害時医療においては「医療救護所」と「災害拠点病院」の2ヶ所を用意することで、混乱を防ぐ計画を行っていたのです。
ところが、2011年の東日本大震災においてこの2極化した医療体制で災害時医療を行ったところ、想定通りには行きませんでした。まず、医療救護所ではなく災害拠点病院に患者が集中してしまったこと。また、災害拠点病院に指定されている病院も津波の被害にあったことで、数少ない災害拠点病院に患者が集中してしまったことです。それにも関わらず、「災害時の医療計画に入っていない」という理由から行政からの支援を受けることはありませんでした。
上記の出来事によって、あらかじめあらゆることを想定し計画を立てておくことが大切だということがわかりました。そこで出てくるのが、BCP(事業継続計画)です。
BCPとは、一言でいうと、災害などの非常事態やテロなどの緊急事態が起こった際に、どのように行動し、事業の早期回復を図るかを計画しておく、いわばリスクマネジメントです。BCPを策定しておくことで、企業や病院で緊急時にどのような行動をとるかをシミュレーションでき、事前に職員同士で共有しておくことができます。
BCPの策定にはルールや決まりがなく、基本的には自由につくって構いません。BCPの書籍などやガイドラインを参考にする、行政が作ったテンプレートを応用するなど方法はいろいろあります。
また、事業継続マネジメントシステムの国際規格である「ISO23001」を取得する方法もあります。こちらは手間もコストもかかりますが、国際規格を取得していることを外部にアピールできるため、取引先や顧客からの信頼を高めることも可能です。
災害時の病院では、いつもより少ない人員や資源で多くの患者を診なくてはならないことが想定されます。また、非常時や緊急時には想定外の出来事も起きやすく、そういった場合にどのような用意があるかが今後の事業の継続に大きく影響するでしょう。BCP(事業継続計画)を策定し、あらゆるリスクに備えて早期に実践しておくことが大切です。
また、BCPの一環として、蓄電池の導入を行う企業が増えています。このサイトではおすすめ蓄電池の紹介も行っているので、導入を検討している方はぜひチェックしてみてください。